聞いた話ですが、昔、会社に頑固なおじさんがいたそうです。
ちょうど、世間ではワープロが普及しはじめたころのことで、今みたいにパソコンが普及する前のことです。昭和の終わりか平成が始まった頃らしいです。
ある若手の方がワープロで書類を作って報告しました。
この頃は、ワープロで書類を作るのも一般的になりつつあり、「活字みたいにきれいな字が印刷できる!」とオジサン世代にも評判でした。
当時、活字の文書を作るのには、外注か、日本語タイプライターで打つしかありませんでしたから。
会社支給のワープロがあったのはごく一部でしたので、その若手の方も自腹でワープロを購入し、報告書を作って、得意満面で書類をそのおじさん上司のところへ持っていったわけです。
ところが、おじさん上司はその書類を見て、
「違っとる! どうして機械で字が書ける!! 文字は手で書くものだ!」
と吠えたそうです。
どうやら、漢字の変換ミスとか、上書きで日時を書き換え忘れたというケアレスミスがあったようです。
それからどうなったかまでは知りませんが、手で一字一句誤りが無いよう手で書き直したんでしょうね。
確かに、私は今でもやらかしてしまうのですが、上書きしたから安心と思っても、置換もれもありますし、漢字の誤変換に気づかないこともしょっちゅうあります。事実、このブログでも、結構変換ミスがあったりしますもんね。
ですので頑固おじさんも、機械を批判したわけではなく、ワープロという機械を使いこなせなかった、その若手社員を叱ったのでしょう。
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その証拠に、パソコンが普及したときは、
「こんな良い物はない。」
と気にいったみたいで、喜んで使っていたらしいです。
ワープロ専用機の頃より、ハードもソフトも格段に良くなっていたこともあったのでしょうが、何よりも写真を簡単に印刷出来るようになったことが良かったみたいですね。
写真屋さんにフィルムを持っていく手間もお金もかかりませんものね。
そんなおじさんも勇退されて久しいですが、今のオフィス環境を見たらどう思うのでしょうか。
【これは事実を元に構築したフィクションです】